2011年06月19日
被災地視察-2 女川
最初に立ち寄った女川の高台から壊滅状態の街を見ると、
木造住宅は全て流され、
鉄骨造は曲がった骨組みがむき出し、
4階建の鉄筋コンクリートのビルが横たわり
残ったビルの屋上には車が乗り、壁が崩壊している様を見た時、
あまりの衝撃にこれが現実なのか夢なのか、あるいは映画を見ているのか‥と
頭の中が混乱していました。
我に返り、夢中で写真を撮っていると、
後ろから地元の方に「どうして写真をとっているんですか?」と声をかけられました。
この瞬間、なにか後ろめたさを感じた事を憶えています。
建築に携わり、お客様に耐震についてお話する立場の自分が、
阪神の震災を見に行けてなかったことをずっと後悔していました。
今回ボランティア活動をしに被災地へ向かう検討もしましたが、
今後3年~5年以内に必ず機会をつくれるとはずと、
とにかく早い時期に現地を見ておきたいという思いで、やっと日程調整をして出かけました。
声をかけてくれたのは40歳前後の女性の方でした。
お話を聞くと、お父様が津波で流されてしまい、
自宅は崖崩れで損壊してしまったけど、直す材料も人手もお金も無いとのことでした。
どうしようもなくて困っているのに、そういった状況を詳しく伝える報道も行政の支援も無い。
とにかく話を聞いてほしかったとのことでした。
お話を聞いている間、返す言葉がみつかりませんでした。
私からの唯一の質問、
「この街の皆さんは、これからもこの街に住み続けたいと思っているのでしょうか?」に対し
「それは、ほとんどの人がそう思っているはずです。」とおっしゃっていました。
こうした話を静岡で冷静に聞いていたら、
政府の対応がどうとか、
もっと悲惨な状況もあるのに家が残っているならまだ良いほうではないか、
また同じ土地に住めば何十年後に歴史が繰り返されてしまうのではないか、
と単純に考えていたと思います。
被害は計り知れない程大きく、根が深いものだと実感しました。
長期的な支援が必要です。自分にできることで必ず貢献しようと改めて心に決めました。
今後も、被災地の事、防災について綴っていきます。
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Posted by 一級建築士 木田明良 at 03:31│Comments(0)
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